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メインキャスト オフィシャルインタビューを公開!

――オリジナル作品ですが、資料や台本を読んだときの印象をお聞かせください。

浦 和希さん(以下、浦):第1話の最初がゴローくんのモノローグから始まるんですけど、内容がすごく不穏というか。ハッピーエンドに向かっていく感じではないなと第1話の最初で感じました。


佐倉綾音さん(以下、佐倉):私は普段あまりゲームをやらないのですが、以前めずらしく原案のヨコオタロウさんが手掛けているゲーム『NieR:Automata』をやり終えていたんです。「ストーリー性だったり考察だったり、ちょっと不思議な気持ちにさせられる作品が好きな人におすすめしたいゲームだ」と女性の先輩に言われて、始めました。ほぼ何もしなくてもストーリーを楽しめるイージーモードでプレイして、たくさん泣いた後だったので、こんなに早くヨコオさんとご一緒できるというのが驚きでした。しかも実は同時期にじんさんともお仕事をしていて。じんさんの楽曲を歌ったりしていたので、ご縁が多くあるスタッフさん方だと感じました。

――大久保さんも好きだとおっしゃっていましたよね?

佐倉:『ソウルイーター』が世代で、大好きだったんです。『カミエラビ』は今どきな世界観でありながら、昔からあるような青少年たちの鬱屈とした闇と、それでもどこか救われたいという気持ちがふんだんに散りばめられた物語で、それでいて中二病全開なんですよね。それを大人な私が見ると、中学生の頃の自分を思い出してちょっとくすぐったくなるんですけど、この世の中で、今これが見たかったような気がする!と思う内容だったので、ワクワクしたのを覚えています。


――個性的なスタッフが集まっているので、瀬下寛之監督がどのようにこの才能をまとめ上げているのか、という意味でも注目の作品ですよね。キャラクターもそれぞれインパクトがありました。第4話までで、少し見えてきたところもあるので、演じていて感じたキャラクターの印象を教えてください。

松本沙羅さん(以下、松本):ホノカちゃんは、第1話でラルとゴローに殺されて、世界の歪みとともに生き返り、第2話以降も登場しているキャラなんですけど、ゴローくんと出会ったときは、クラスの中の上位にいるわけではないゴローくんのような男の子が憧れている女子です。でも、出会ったときと生き返ったあとで、ゴローくんへの認識が変わったので、彼との距離感は少し難しかったです。監督からも「演出上、こういうふうに差をつけたい」と言われていましたし、ひと言に嫌いと言っても、その中にいろんな気持ちが混ざっていて、嫌いの反対が好きかと言ったら、ホノカはそういうわけでもないと思うので……。

それとホノカのプロフィールに「誰もが知らない二面性を持っている」とあるのですが、その二面性が分かりやすく1と2なのか。それとも3、4、5とある中で、1と2しか見せていないのか……そのあたりは、本人も気づいていない部分もあると思うので、噛めば噛むほどおいしいキャラな気がしています。でも、これはみんなに言えることですけど、とても人間くさいキャラなのかなと思います。


佐倉:ラルは第1〜2話の段階で、ゴローの能力を馬鹿にされていることが、自分を馬鹿にされていることだと思っている描写があるので、ゴローの能力とラルの存在というのはイコールなのだろうと察していただけるかなと思うのですが…それ以降の話を見ていくと、ゴローに対して、ただの“カミエラビ”で共闘する候補者以上に思い入れがあるんじゃないかと思わせる描写がじわりと出てきているんですよね。ゴローが倒れたときに本気で心配をしていたり。ラルの本質に近づいていく動きは、物語の本筋と並行して、皆さんにとっての謎解きのひとつになるのかなと思っています。

浦:ゴローは、オーディションでいただいた断片的な原稿を読み解いて、どこか不幸な自分に酔っている部分があるのかなと思っていたんです。ところが、第1話が思った以上に表情豊かで!(笑)。実際に演じて、ディレクションをいただく中で、この子は逆にすべてをさらけ出せる子なんだなと思いました。第1話のホノカとの戦いのさなか、ホノカに抱きついて「やめよう!」と懇願するシーンがあったんですが、あんな情けないことは、なかなかできないじゃないですか。でも彼はあそこでまっすぐに言えちゃうんですよね。
そこで自分なりに意識したのは、情けなくあろうということで。見た目はカッコ悪いキャラではないんですけど、情けないところがあってもいいと思うので、そこを深掘りしていこうという気持ちで演じました。でも自分をさらけ出せることは、ある意味断トツで大人なんじゃないかとも思うんです。そこが彼の魅力でもあるのかなって思います。

内田修一さん(以下、内田):アキツは、第1〜2話を見た感じだと、一番何も考えていないような、飄々と、のらりくらりしているイメージがあったんです。でも第3話ではガラッと変わり、能力的にも登場人物の中で、一番未来を見据えていて、実は先が一番見えているキャラクターだったんですよね。
だから、ゴローと対峙するときに、どういう役作りで、どういうお芝居で臨もうかはすごく考えました。彼は能力で未来を知っているわけだからゴローには勝てない、この戦いで自分が死ぬと分かった上で戦っている。となったときに、彼は敵役を演じるのか、それともゴローと共通の趣味であるゲームをする感覚で、全力でゲームを楽しむ方向なのか。ディレクターさんにも相談させていただいたんですけど「アキツは結末を知っているし、その上でゴローと戦いたくない気持ちもあるから、戦いは彼にとってツラいものだと思う」とディレクションをいただいて。そこで、そうか!と気づいて本番ではだいぶ抑えた感じで演じました。アキツはちゃんと友達として、親友として、ゴローにバトンを託して使命を終えたんだなと思えたんです。だからどこか清々しいところがあるように思いました。


――ちょっと重めのストーリーでありながらもポップさがある映像だったと思いますが、実際アニメを見ていかがでしたか?

松本:PVが出たときに、それぞれのキャラクターにキャッチコピーが出ていたんですけど、ゴローが「神に選ばれた童貞」だったんです(笑)。先行上映会に先駆けて第1〜2話の映像を見させていただいたんですけど、これはすごく褒めているんですが、童貞感がすごい!と思ったんです。

浦:えーーーっ!!

松本:第2話でホノカがゴローくんを呼び出して、廊下で何で自分を生き返らせたのかを問い詰めるシーンがあるんですけど、そこで話が終わってゴローが帰ろうとしたところでホノカがゴローの肩を引くんです。そのときの驚き方がリアル高校生感があって、こういうことか!って感動しちゃったんです。だからあそこのシーンはめちゃめちゃ好きです。

――その後同盟を結ぶところでも赤くなっていましたしね。

内田:第1話で願いを言うシーンがあるじゃないですか。あれだけ部屋にアイドルのイヨちゃんのポスターが貼ってあるのに、ホノカちゃんとエッチなことをしたいって言うんですよ(笑)。明日になったら絶対にイヨちゃんって言うと思うんだけど、直前にホノカちゃんと連絡先を交換して、「また明日ね」って言われちゃったから、ホノカちゃんで頭がいっぱいなんだなっていうところが、「うわ!」って感じで(笑)。

佐倉:だから最後にホノカちゃんを生き返らせたの…?

浦:僕に聞かれても困るんですけど(笑)、そうなんじゃないですかねぇ(笑)。僕はその気持ちでやっていましたけど。ホノカに関しては、回を経るごとに対応も変わっていくんですけど、最初のほうは、僕自身もかわいいなと思いながら演じていたので。

佐倉:あと、全然関係ないところだと第3話で初めて一緒に詠唱をしたよね?

浦:しました!あれは楽しかったです。

――祝詞を言うって、憧れですからね。

佐倉:やっぱり詠唱はしたいよね?

浦:めちゃめちゃ言いたかったです!それまで横でずっと聞いていて、一緒に言ったりできないかな?と思っていたら、まさかの第3話ですぐにやれたので、ノリノリで練習して行きました。

松本:ホノカも第1話で、ラルの呪文で殺されましたけど、あれは勝てるわけがないって、すごく思いました。隣で聞いていて、佐倉さんのお芝居でもあるんですけど、これは勝てない!って本当に思ったんです。

浦:詠唱だけで、これだけできるんだ!っていう。

佐倉:ラル的には、殺す気でやっているからね。

松本:なんだかまるで、ラスボスみたいだなと…

佐倉:そもそもラルがいること自体がチートで、要はブレーンがもう一つ存在しているというだけでアドバンテージだし、その上であの能力でしょう? ホント、何があるんですかね!

――それはこれからのお楽しみにということになると思うのですが、最後に今後の見どころを教えてください。

浦:僕はラルの表情を見てほしいです。一番コロコロ変わっていくので。

佐倉:PVでは出ているけど、本編では出ていないラルの表情とかもあるんですよ。大泣きしているところとか意味深じゃないですか。

松本:だからラルには、めちゃめちゃ注目してほしいです!

佐倉:私は…劇中に出てくる人気漫画『ワンダーチルドレン』の原作者の名前が、多分モデルがいるんだろうなぁ?という名前で。その役に対してのディレクションがまたひどくて、「もっとしょぼく」「もっと小心者で」と言われていて、これホントにいいの…?と思いながら見ていました。

浦:それはめちゃめちゃ面白かったです。

佐倉:あと、今後もエログロがちょこちょこ出てくるので、周りを気にしながら見る感じもたまらないものがあると思います。

松本:ちょうど思春期と大人が入り混じっているような感じの描写がたくさんあるので。あまりオープンスペースで大音量では見られないかもしれないですね。

――今はスマホでも見られますしね。

佐倉:そうですね。この作品でもスマホはかなり重要な鍵になっていますので。

浦:ひとつひとつのデザインも凝っていますから。

佐倉:そのあたりはエンディングでもしっかり分かるようになっているので、じっくり見てほしいです。

――ゴローのスマホケースは、イヨだらけでしたけど。

浦:彼はゴリゴリなんですよ。

佐倉:ダークで寡黙な主人公という印象がすぐに崩れていってしまって。最初はこんなに気持ち悪い子だと思っていなかったんですよ(笑)。

浦:あはははは(笑)。

佐倉:第1〜2話ではちょっと本気で引いていました(笑)。女子としてイヤな気持ちになったから、近くにいたら、距離を置いてしまうかも。アイドルが好きだからとかではない、もう少し本質的な部分で。

浦:だから彼の気持ち悪さって結構如実に出ていて、すべての感情をオープンにできるところもあるから、僕としては演じていて、すごく楽しかったんです。